JPIC「ヤングアダルト(YA)文学講座」の巻
2008/08/23 22:18:04
JPICの「ヤングアダルト(YA)文学講座」へ行ってきました。
とある市ではJPICは評判が今イチなのですが、この読み聞かせ文化を広げた功績は素晴らしいものだと思っています。まあ、利害とかいろいろあるかとは思いますが、裾野を広げるにはこのような大きな出版社が背後にいないと出来ないんですよ。図書館ごときじゃダメなのよ(笑)。
で、深入りしたくなくてあまりJPICの行事には参加していなかったのですが、今回基調講演が金原瑞人先生だったので、用紙見て勤務表見て速攻申し込みしました。以降休み死守!
以下講演の一部です。クレームついたら落とします。
まず参加者に日本の物と翻訳物とどちらが好きか挙手で聞きました。やはり翻訳家の話を聞きに来ていても、邦物の方が人気(それでも翻訳物が好きという人が意外に多いと云っておられました)。最近は日本の作品でも書き手が力を付けてきて、余計にその傾向があるそうです。
そして「本好きの常識は一般の常識と違う」ことを肝に命じるようお達しが(笑)。本好きはごく一部。そうです、その通り。金原先生の大学でも体育会系は種類が違うようですが、とある市(しつこい)でも同様です。で、金原先生曰く「皆本を好きになる資質を持っているというのは誤りである」名言(笑)。優先順位は人それぞれ。ただ本好きとしては「本好きになる資質のある子どもたちに面白さを伝えたい」と云っておられました。
以下本当にメモ****
本を読むということはめんどくさいこと。文字を読むことから「想像」しなくてはならないから。
でも読む面白さは中高生位から作られると思う。自分は小学生の頃は本を読んでいなかった。絵本作家の村上康成さんも小中高と野球少年で「巨人の星」が大好きで、自分でギプスを作っていたほどだったそう。それぐらい当時からマンガとテレビの影響は大きく、そのころから子どもたちの読書離れは始まっていたのだ。話を聞いていても、今も昔も田舎も都会の子も本を読まないのだ。
たぶん中学生になった時から翻訳物を夢中で読み始めた。それくらいの年齢から、自分の感性とシンクロするようになったのだと思う。アメリカの調査でもあったように、中高生で本を読んでいないと成人しても本を読まない傾向が強い(以降、アメリカYAと日本のYAの歴史について語られました。ここは『大人になれないまま成熟するために』に詳しいので略)。
90年頃、ファンタジーが低迷していた時期にデビューした森絵都、佐藤多佳子、あさのあつこが今や直木賞・芥川賞作家になるなどYA作家の底上げがすごい。伊藤たかみも芥川賞を貰った年に、坪田譲治賞を貰っているが彼は「YAの区切りは”年代”だけなので、様々なテーマで書くことができる」と云っている。以降出版社もYAという括りで出版するようになり、10代〜20・30代の女性まで幅広く読まれている。今若者に人気の作家が増え、逆に翻訳家としては寂しくなったように思う。
ではなぜ翻訳物を読むのかと問われると、驚きがあるからだ。人は馴染んでいるものに安心して読み始めるが、海外の作品には日本の作品にはない驚きがある。先日も紹介した『漂白の王の伝説』は日本の小説ではありえない物語(あらすじを紹介)だ。
以下Q&A。
Q.最近読んで面白かったマンガは?
A.マンガは最近読んでいない。『もやしもん』
映画は『バットマン』びっくりした(サイトに詳しいです)
『落下の王国』はとてもよかった。是非。
Q.若い頃に読んだ翻訳物とは。
A.ミステリーやSF。家にあった世界文学全集。
日本の文学全集もあったが1巻が坪内逍遥と二葉亭四迷で挫折。翻訳物は今の言葉だったから(笑)
Q.自分が訳したい!と思った作品は。
A.『顔のない男』カート・ヴォネガットと『空からおちてきた男』ジェラルディン・マコックラン。
Q.どうやって翻訳本を選ぶのか。
A.出版社から持ち込まれた物を訳すこともあるし、
自分がアメリカの書店へ行って探して3〜4箱まとめ買いし、日本で読むものも。
全部読みきるのは4〜5冊に1冊程度で、20冊読んで当たりがあれば良い方。
Q.翻訳の仕方は?
A.英語の作品は現在形で書かれていることが多いが、日本語ではしっくりこない。
それを考えるのが楽しい。『ターニング・ポイント』ディヴィッド・クラスでは全部現在形で訳してみた。
Q.翻訳物はどうして長いのか。
A.短い物もありますよ。日本の物も長いものは長い。ファンタジーは世界観の説明で時間がかかるため。
Q.本を読むきっかけを与えるには。
A.本が身近にある環境づくり。好きな物に出会える場があることが大切なのでは。
また薦めるときも薦める方が読んでいないと。
子どもたちは「面白そう」と薦められるより「面白いよ」と薦められる方が読むでしょう。
講演後サイン会がありました。
1954年生まれとは思えない(笑)線の細さ。サインをいただいている時に思い切って聞いてみました。
『ゴーストドラム』の続編は訳さないんですか!→出るかもって(笑)。出版社がなかったみたいです。やはり福武書店が無くなったのが痛手だったのでしょうか。でも出るんですよ!早く出して下さい〜。プライスの毒っ気が恋しい(←中毒?)。「トロール」シリーズの愛も伝えました(片思い)。
金原先生公式サイトはコチラ。
無茶苦茶忙しいのにどうしてあれだけ訳せるのかが不思議。
午後にはブックトークのプロのお話が。
久しぶりに民間(?)のお話を聞きました。やはり本好きの世界に偏ってはいけないと実感。そして最近の自分の読み方の偏りも実感。
普段図書館などで聞く講演とは違って、こういう場も大事だと思いました。
え?どんな?(笑)
最近のあさのあつこの文章が今イチとか?(うんうん)。森絵都の『ラン』も今イチだったとか?(うんうん)。でもそういうのも目を通さないといけないとか?(やっぱり…)
たまには勉強しないといかんなあ…。
とある市ではJPICは評判が今イチなのですが、この読み聞かせ文化を広げた功績は素晴らしいものだと思っています。まあ、利害とかいろいろあるかとは思いますが、裾野を広げるにはこのような大きな出版社が背後にいないと出来ないんですよ。図書館ごときじゃダメなのよ(笑)。
で、深入りしたくなくてあまりJPICの行事には参加していなかったのですが、今回基調講演が金原瑞人先生だったので、用紙見て勤務表見て速攻申し込みしました。以降休み死守!
以下講演の一部です。クレームついたら落とします。
まず参加者に日本の物と翻訳物とどちらが好きか挙手で聞きました。やはり翻訳家の話を聞きに来ていても、邦物の方が人気(それでも翻訳物が好きという人が意外に多いと云っておられました)。最近は日本の作品でも書き手が力を付けてきて、余計にその傾向があるそうです。
そして「本好きの常識は一般の常識と違う」ことを肝に命じるようお達しが(笑)。本好きはごく一部。そうです、その通り。金原先生の大学でも体育会系は種類が違うようですが、とある市(しつこい)でも同様です。で、金原先生曰く「皆本を好きになる資質を持っているというのは誤りである」名言(笑)。優先順位は人それぞれ。ただ本好きとしては「本好きになる資質のある子どもたちに面白さを伝えたい」と云っておられました。
以下本当にメモ****
本を読むということはめんどくさいこと。文字を読むことから「想像」しなくてはならないから。
でも読む面白さは中高生位から作られると思う。自分は小学生の頃は本を読んでいなかった。絵本作家の村上康成さんも小中高と野球少年で「巨人の星」が大好きで、自分でギプスを作っていたほどだったそう。それぐらい当時からマンガとテレビの影響は大きく、そのころから子どもたちの読書離れは始まっていたのだ。話を聞いていても、今も昔も田舎も都会の子も本を読まないのだ。
たぶん中学生になった時から翻訳物を夢中で読み始めた。それくらいの年齢から、自分の感性とシンクロするようになったのだと思う。アメリカの調査でもあったように、中高生で本を読んでいないと成人しても本を読まない傾向が強い(以降、アメリカYAと日本のYAの歴史について語られました。ここは『大人になれないまま成熟するために』に詳しいので略)。
90年頃、ファンタジーが低迷していた時期にデビューした森絵都、佐藤多佳子、あさのあつこが今や直木賞・芥川賞作家になるなどYA作家の底上げがすごい。伊藤たかみも芥川賞を貰った年に、坪田譲治賞を貰っているが彼は「YAの区切りは”年代”だけなので、様々なテーマで書くことができる」と云っている。以降出版社もYAという括りで出版するようになり、10代〜20・30代の女性まで幅広く読まれている。今若者に人気の作家が増え、逆に翻訳家としては寂しくなったように思う。
ではなぜ翻訳物を読むのかと問われると、驚きがあるからだ。人は馴染んでいるものに安心して読み始めるが、海外の作品には日本の作品にはない驚きがある。先日も紹介した『漂白の王の伝説』は日本の小説ではありえない物語(あらすじを紹介)だ。
以下Q&A。
Q.最近読んで面白かったマンガは?
A.マンガは最近読んでいない。『もやしもん』
映画は『バットマン』びっくりした(サイトに詳しいです)
『落下の王国』はとてもよかった。是非。
Q.若い頃に読んだ翻訳物とは。
A.ミステリーやSF。家にあった世界文学全集。
日本の文学全集もあったが1巻が坪内逍遥と二葉亭四迷で挫折。翻訳物は今の言葉だったから(笑)
Q.自分が訳したい!と思った作品は。
A.『顔のない男』カート・ヴォネガットと『空からおちてきた男』ジェラルディン・マコックラン。
Q.どうやって翻訳本を選ぶのか。
A.出版社から持ち込まれた物を訳すこともあるし、
自分がアメリカの書店へ行って探して3〜4箱まとめ買いし、日本で読むものも。
全部読みきるのは4〜5冊に1冊程度で、20冊読んで当たりがあれば良い方。
Q.翻訳の仕方は?
A.英語の作品は現在形で書かれていることが多いが、日本語ではしっくりこない。
それを考えるのが楽しい。『ターニング・ポイント』ディヴィッド・クラスでは全部現在形で訳してみた。
Q.翻訳物はどうして長いのか。
A.短い物もありますよ。日本の物も長いものは長い。ファンタジーは世界観の説明で時間がかかるため。
Q.本を読むきっかけを与えるには。
A.本が身近にある環境づくり。好きな物に出会える場があることが大切なのでは。
また薦めるときも薦める方が読んでいないと。
子どもたちは「面白そう」と薦められるより「面白いよ」と薦められる方が読むでしょう。
講演後サイン会がありました。
1954年生まれとは思えない(笑)線の細さ。サインをいただいている時に思い切って聞いてみました。
『ゴーストドラム』の続編は訳さないんですか!→出るかもって(笑)。出版社がなかったみたいです。やはり福武書店が無くなったのが痛手だったのでしょうか。でも出るんですよ!早く出して下さい〜。プライスの毒っ気が恋しい(←中毒?)。「トロール」シリーズの愛も伝えました(片思い)。
金原先生公式サイトはコチラ。
無茶苦茶忙しいのにどうしてあれだけ訳せるのかが不思議。
午後にはブックトークのプロのお話が。
久しぶりに民間(?)のお話を聞きました。やはり本好きの世界に偏ってはいけないと実感。そして最近の自分の読み方の偏りも実感。
普段図書館などで聞く講演とは違って、こういう場も大事だと思いました。
え?どんな?(笑)
最近のあさのあつこの文章が今イチとか?(うんうん)。森絵都の『ラン』も今イチだったとか?(うんうん)。でもそういうのも目を通さないといけないとか?(やっぱり…)
たまには勉強しないといかんなあ…。

